マリカフェ

世界の色んな料理や面白いレシピを見ると、ついカッとなって作ってしまう、ほぼ好奇心と食欲のみに突き動かされている料理ブログ

坊さん失神、スルタン喜ぶ

陳家がトルコを訪れたのは2002年、まだ9・11の傷も生生しい時期でした。

テロ直後だったし、初めてイスラムの国に行くのに最初はビビったのですが、行ったらものすごく楽しくて美味しくて、行って良かったと心から思いました。行く前後のギャップのことを未だに旦那に笑われます・・・

今までにおフランスやらイタリアやら、ご飯が美味しい国も訪問し、それぞれで美味しい思いも沢山しましたが、全体的に見て一番美味しかったのはどこかと聞かれたら、やっぱり「トルコ」と答えるかもしれません。

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そのココロは、

  • 野菜が新鮮でうまい。美味しい野菜料理たっぷり
  • 肉がうまい、ケバブうまい、肉の風味豊か
  • たっぷりのオリーブオイルと野菜のせいか、お通じスッキリ(イタリアでもかなり美味しい思いしたけど胃酸過多、胸焼けを初めて経験)
  • あれだけ食べまくったのに1週間の旅で2キロ減った(よく歩いたのもあるけど)

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さらに私達が訪れた時はラマダン中。

レストラン閉まってるんじゃないか・・と心配しましたがそんなことは全くなく、異教徒である私達は全然普通にご飯を食べられたし、逆にラマダン期間ならではの経験を沢山することができました。

夜明け前に町内会の太鼓の音で起こされてみたり(日の出前にご飯食べろ!と起こしてくれる)、イフタール(日没とともに食べる断食明けの食事)メニューを試してみたり、ラマダン中モスクの周りに立ち並ぶ夜店を遅くまで楽しんだり・・・。

そんなトルコで行ったお店のひとつが、Haci Abdullah。
1888年、オスマン帝国の時代から、場所と名前を変えつつ営業を続けている老舗レストランで、オスマン帝国の時代から伝わる伝統的なお料理を出すお店です。
もしかしたら日本のガイドブックにも載ってるかもしれません。

haciabdullah.com.tr


このレストランで貰った小冊子。

レストランの歴史や、古い店だけあって、それこそスルタンやらトルコの著名人の出入りも多いため、そんな人達からの賛辞、そしてレストランで出されているお料理のレシピが幾つか紹介されています。

そしてなぜかこのレストラン、ISO9002を取得したらしい。そのお知らせもw

この小冊子、ただただ眺めるだけだったのですが、15年間眺め続けていたら、とうとうカーっとなって作ってみようという気になりました。
時間かかりすぎw

坊さん失神

İmam bayıldı(イマム・バヨルドゥ)」坊さんが失神、卒倒、ひっくり返ったという名前がついているお料理。

茄子の上に、トマトと玉ねぎをオリーブオイルと砂糖などで味付けしたものを載せ、煮込んだものです。

あまりに美味しくて食べたイマーム(イスラムの坊さん)が失神したから、こういう名前がついているらしい。

材料費を聞いてあまりの高さに失神したとか、使っているオリーブオイルの量の多さを聞いて失神したとか、諸説あるらしいですが、スープの匂いをかいで塀を飛び越えたり、聖職者って意外と食べ物に弱いのね。

この冊子、英語がちょっと変で、どうも作り方や材料の分量が不明瞭なところが多々あり。

なるべくこのレストランのレシピに忠実に作ってみたいけれど、間違った方向に行かないようにオンラインで他のレシピも参考に見てみたんですが、他のレシピでは下準備として茄子に塩をしてみたり、焼いたりと色々しているのに、このレシピは茄子の皮を剥いたら、他の材料を上において水からいきなり煮込む!という他と比べるとかなり荒っぽいシンプルなレシピでした。

本来、ホカホカではなくて冷菜として食べるこのお料理。作ってすぐ食べてしまったので、まだちょっと味が馴染んでなかった気がする。次回また。

スルタン喜ぶ

Hünkar Beğendi(ヒュンキャル・べエンディ)」こちらはスルタンが食べて喜んだと言われているお料理。

日本では「スルタンのお気に入り」と訳されているようです。

茄子やそのほかの材料をピューレにしたものの上に、トマトで煮込んだ羊の肉が載っています。

このお店のレシピでは、ピューレにココナッツの粉を入れます。
ただしどれだけ入れるか分量が書いてなかったため、大さじ1ぐらいにしておきました。

分量の参考にしようと他のレシピも当たってみたけど、このお店のレシピ以外にココナッツを使うレシピは見当たらず・・。

ココナッツを入れると、ちょっと甘みが出て、より風味が増す感じ。

乳糖不耐症なため、牛乳は豆乳に、チーズも山羊のチーズで代用しましたが結構いけました。

茄子は大きいやつをオーブンに入れていたのですが、空気穴を開けておくのを忘れ、オーブンの中で「ドーン!」と大爆発ww
茄子を焼く時には気をつけましょう。

ヒュンキャル・べエンディの作り方

<材料:4人分>

  • 茄子:2本
  • バター:100グラム
  • 小麦粉:大さじ2
  • 牛乳:800cc
  • ラム肉(牛で代用可):400グラム、サイコロステーキの形に切る
  • トマトペースト:大さじ3
  • ハリサなどの唐辛子ペースト:大さじ1(無くてもよし)
  • 玉ねぎ:1個
  • チェダーチーズすりおろし:1カップ
  • ココナッツパウダー:大さじ1
  • 塩少々

<作り方>

  1. 焼き茄子を作る。バーナーやオーブンのブロイル(上火)で茄子の皮が真っ黒になるまでしつこく焼く。茄子は爆発することがあるので、竹串やフォークで事前に穴を開けておくこと。焼けたら皮を剥いて、水に放す。熱くなくなったら水分を絞り、包丁で適当に切って置く。
  2. ピューレを作る。バター50グラムと小麦粉大さじ2を鍋に入れ、焦がさないように5分ほど炒めた後、先程の焼き茄子と牛乳800cc、チーズのすりおろし1カップ、塩少々とココナッツパウダー大さじ1を加え、10分ほど、もったりするまでかき混ぜながら煮る。
  3. ケバブを作る。玉ねぎ1個をみじん切りにし、バター50グラムと一緒に炒める。玉ねぎが透き通って来たらサイコロ状に切った羊肉を入れ、10分ほどさらに炒める。トマトペースト大さじ3とハリサペースト大さじ1(入れなくても可)、塩少々を入れ、水を肉が被る程度に入れ、20分ほど煮込む。
  4. ピューレを皿に敷き、上に煮込んだ肉を並べて出来上がり。

失神はしませんでしたが、食べて喜ぶお料理でございました。

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