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マリカフェ

世界の色んな料理や面白いレシピを見ると、ついカッとなって作ってしまう、ほぼ好奇心と食欲のみに突き動かされている料理ブログ

アレッポの香り、消えた人々の料理

陳家は総じて食べ物への執着が強いというか、興味をもっている人がとても多い。

両親は料理屋をやっていたこともあり中華料理(というか広東料理)一筋ですが、義理家族の中にはマリオ・バターリの料理本丸々一冊作ってしまう人あり、料理番組に出演しちゃった人あり、家でコーヒーをローストし始めたり、カカオを豆からどうにかしてチョコレートを作るものあり、仕事の傍らベーキングの学校に通ってウェディングケーキやら何やら作る人あり。

私がエルサレムの料理本を全部作ったれ!となったのも、既に料理本一冊全部作ってみたという人が身近にいたからかもしれません。
そういえば私があげたノブの料理本も全部作ったとか言ってたような・・・

そんな料理プロジェクトをやっていると聞いた義理姉が、こんな本をくれました。

Aromas of Aleppo: The Legendary Cuisine of Syrian Jews

Aromas of Aleppo: The Legendary Cuisine of Syrian Jews

アレッポの香り。シリア系ユダヤ人の料理の本。

シリア、特にアレッポというと、最近は悲惨なニュースしか聞こえてこない場所。
そういえば昔漫画家のヤマザキマリさんが住んでいたんでしたよね。その時の写真やらを見ると、みんな普通に暮らしていた場所がこんなことになるなんて、と暗澹たる気持ちになります。

そんなアレッポには580年頃からユダヤ人が移住しはじめていたそうで、その後15世紀にはキリスト教への改宗を迫るスペインから逃げてきたセフォラディック系の人達がさらに流入、貿易の仕事などを通じて定住していたようです。

第一次世界大戦前後から、状況を見てヨーロッパに移る人達もいたそうだけれど、1946年にシリアがアラブ国家として独立すると、やはりユダヤ人への抑圧はより強くなり、1992年になるまでは、国内外の移動も厳しく禁止されていたよう。

国際社会からの圧力で旅行禁止が解かれると多くがイスラエル、そしてニューヨークはブルックリンに移住し、さらに昨今の内戦でアレッポに残るユダヤ人は、高齢者など、本当にごくわずかになったようです。

2005年の時点で80人。
2014年で50人以下。
ISISが近づいてきた2015年には救出作戦が行われ、ほぼ全員がイスラエルに脱出。それでも18人ほどは残っていたよう。
たった18人て。うわー。

運転中に聞くラジオでも、シリアからのレポートが放送されることがあります。
日本も戦争や震災で普段の暮らしが一瞬で廃墟になったり、先の見えない不安な状況の中で生活する恐ろしさ、という点については多少理解はあると思うのですが、想像を絶する。

ユダヤ人であろうが、イスラム教徒であろうが、なに人であろうが、ちょっと何かが変われば誰でも難民になりうる世界。たまたま私達は今のところそれとは反対側にいるだけ・・・。

もうその人々はアレッポにいなくなってしまったけれど、その地に何百年も根を下ろした中で伝えられて来た料理の数々がまとめられたのがこの本。

ぱらぱらめくっていると、お約束どおりですがかなり見たことある料理の数々が並んでいます。
あの地域は国境は後から引かれたものだし、オスマントルコの影響やら何やらで、やっぱり料理の感じは色々被ってるな〜というのが感想でした。

でもその中で最初に作ってみたのが、タマリンドを使ったミートボール。

タマリンド、酸っぱい木の実で、どちらかというとインドや東南アジア料理なんかで見る気がするのですが、シリアでもよく取れるので、料理に使われていたらしい。

本ではタマリンドをグッチャグチャにしてソースを作る方法も紹介されていましたが、おとなしく瓶に入っているタマリンドペーストを使いました(これもちょっと気の利いたスーパーか、アジア系、中東系スーパーで売っています)。

ユウキ タマリンドペースト 227g

ユウキ タマリンドペースト 227g

ビーフで作ったミートボールを、タマリンドペーストとトマトソースで煮込んだもの。
後は適当に、バスマティ米と豆を混ぜて作った自家製ムジャダラ、
そして切ったビーツを、お酢とメープルシロップで煮たものを合わせてディナーに。

料理本では、良いタマリンドを使わないと美味しくなるどころか不味くなる!と書いてありましたが、予想よりも甘酸っぱくなく、トマトソースの味がちょっと強めだったかも・・。

とりあえずは中東料理はエルサレム料理本でお腹一杯なので、まずはそっちに注力したいと思いますwが、南蛮漬けと同様、シリア系ユダヤ人のお料理、もうその土地には残っていなかったりするんだろうけれど、こうやってまた別の土地に生き残ったりしていくんでしょうか。

www.maricafejp.com


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