マリカフェ

世界の色んな料理や面白いレシピを見ると、ついカッとなって作ってしまう、ほぼ好奇心と食欲のみに突き動かされている料理ブログ

【映画飯】チャウ・シンチーの食神:黯然銷魂飯

チャウ・シンチーが監督する映画の主人公は、大抵ほとんどいつもダメ男な気がする。成功してるけど人間的に最低だったり、いい人だったり何かに一生懸命なんだけど社会的に底辺にいるような人だったり。


そんな「マージナル」なキャラクターが、どん底をから這い上がったり、謙虚になって力を得、最後には良い感じに終わる・・・というパターンが多いような。


しかし毎回毎回、色んな形で示される主人公のダメダメぶりを見るたびに、何かチャウ・シンチーの一筋縄ではいかない心の闇(?!)を見るような気もするのは・・・うむむ、私の気のせいでしょうか。


あ、チャウ・シンチー(周星馳)と言ってもピンとこないかた、「少林サッカー」「カンフーハッスル」といえばおわかりになるでしょうか。日本のギャグ漫画にも通じる動きが満載の、香港映画の俳優・監督です。

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 そんな彼が監督主演した映画「食神」はちょっと前の映画だけれど、カンフー任侠映画と料理の鉄人とミスター味っ子をごちゃまぜにして、稲中卓球部とか珍遊記などのギャグマンガ風エッセンスもちょっとふりかけた感じの話。

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 この映画の主人公・周も、料理人として成功しているのを鼻にかけてやりたい放題の最低男。成功者なのをいいことに、部下に対してやる虐待的な嫌がらせなど、見ていて最低すぎる。


でも予想通り裏切りにあい、お約束のように路頭に迷うのだけれど、そこで人生のターニングポイント的に出て来るのが、「黯然銷魂飯」。


要は、チャーシューと目玉焼きをご飯の上に載せたものなんですが、おそらく撮影用にテカテカ光る何かを塗ったチャーシューと、これまた燦然と輝く目玉焼きが、かなり大ぶりの丼に乗って出て来るのを見ていたら、ああ、もう今すぐアレが食べたい、となるのも、もうお約束。


以下に食神・周と、平凡な家庭料理人陳マリのレシピ2種類を載せておきます。

食神・周による「黯然銷魂飯」の作り方

所要時間2分

  1. 豚肉を少林寺で自分で編み出した技「黯然銷魂手」でチョップして柔らかくする

  2. カメラが見ていない間に豚肉にバーベキューソースを塗る。玉ねぎも忘れずに
  3. 土鍋に米と水を入れ、左手でしぶきが上がる位滅茶苦茶にかき混ぜる
  4. 左手で米を研いでいる間に、右手で豚肉を串にさす
  5. 気のパワーでグリルの火力をあげ、米を一瞬で炊き上げる。同時に串もぐるぐる回して肉を焼く
  6. 手を土鍋にかざし、気を送って蓋をパーンとあけ、炊けたご飯を丼に盛る。
  7. 肉を投げて空中で包丁を動かし、肉を適当な大きさに切る。
  8. 肉がご飯の上に勝手に着地して並ぶ。
  9. 青物の野菜を載せる。ここだけは素人風に、前かがみになって両手でつまんで載せること。
  10. パァ!」と叫び気合で手のひらに火をおこす。手のひらに卵を落とし素手で目玉焼きを焼く。
  11. 目玉焼きも丼に載せて完成。

平凡な主婦による「黯然銷魂飯」の作り方

所要時間丸一日

材料:

  • 豚肉(テンダーロインなど叉焼に使える塊肉)
  • 叉焼のつけ汁(醤油、ケチャップ、きび砂糖、海鮮醤、蜂蜜、料理酒、五香粉)
  • ご飯
  • チンゲンサイ
  1. 一応お約束なので豚肉の塊にチョップをかましておく。

  2. 上記の材料を適当に混ぜてつけ汁を作る。肉の量にもよるが、醤油半カップ、ケチャップ、蜂蜜、砂糖は1/3カップ、料理酒1/4カップ、海鮮醤は大さじ2、五香粉はふたつまみぐらい。お好みでちょっとオイスターソースを入れても良し。より中華風にしたい場合は食紅も入れる。

  3. ジップロックにつけ汁と肉を入れて、ちょっとモミモミしてから一晩置く。
  4. 180度のオーブンで20分ほど焼く。BBQグリルで焼くのが一番良い。
  5. 残ったつけ汁を塗りながら、外がこげてキャラメル状になるまで、オーブンの上火を使ってしつこく焼く。
  6. 焼けたら10分ほど休ませてから切る
  7. チンゲンサイはごま油で炒めておくかお湯で湯がいておく。お好きなように
  8. パァ!」と気合を入れながら卵を割り、フライパンで目玉焼きを作る。
  9. 全部盛り付けて、完成。

食べる時は、目玉焼きにちょっと醤油かオイスターソースを垂らしても美味しいです。
今回近所の普通のスーパーで肉を買ったため、脂身があまりなく、とろっとした食感の再現ができなかった。

次回はちゃんと中華の肉屋に行こう。

美味しかったけど、映画のように涙は出てこなかった・・・と思ったら、玉ねぎを入れるのを忘れていました。

ふだんテレビ見ながらご飯は禁止ですが、このご飯を食べる時は、ぜひ「食神」を見ながらどうぞ!

 <note.muに書いたエッセイをこちらに移動させました>

おまけ

今年の旧正月のイベントでお習字をした時のこと。

「福」とかいかにも旧正月風な字を練習していた娘、急に「ママ、料理の神様ってどうやって書くの」

ということで書いてもらいました。

6歳児による見よう見まねの無心の習字、妙に味があります。

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