料理本「エルサレム」を全品作る、気の遠くなるようなプロジェクト19回目。
きっかけはこちら。
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イスラエルに滞在した時、良くシュワルマ屋さんに行きました。
日本でもトルコ人のケバブ屋さんみたいな屋台を見ることが増えましたが、シュワルマ、こういうお肉の塊みたいなのをローストでぐるぐる焼き、これをそぎ切りにしてピタパンに入れてくれるやつ。
(これ、肉の塊をどーんと焼いているわけではなく、スライスした肉をどんどん重ねてこういう形にしてあります)
でもシュワルマ屋さんで好きだったのは、その中に自分で入れるトッピング。
アメリカで食べるシュワルマは、スライスしたお肉と野菜が入っている位ですが、イスラエルではカウンターの所にさらに色々なトッピングがどーんと置いてあり、自分で好きなだけ入れることができました(写真の白シャツのおっちゃんの前にあるやつ)。
色んなサラダやピクルス、そしてフライドポテトなど。ポテトも中に一緒に入れて食べてしまう。
そんな中で私が一番好きだったのは、とろとろにローストした茄子!
これは別にお皿に取って食べたいくらい美味しかったです。
今回「エルサレム」料理本に載っていた「サビー」は、そんな茄子のローストがメインのお料理です。
ローストした茄子にかかっているのは、お馴染みのタヒニ(白ごまペースト)。
そしてゆで卵、キュウリやトマト、パセリのサラダ。
このレシピではピタパンの上に載っていますが、ピタパンの中に入れてサンドイッチにして食べるのが一般的なようです。
このお料理は1950年代、イラクから来たユダヤ人によってイスラエルにもたらされたんだそう。
料理をしてはいけない休息日に、前もって茹でてあるゆで卵やローストした茄子をサンドイッチにして食べていたのが始まりなんじゃないかーと言われています。
名前の起源も色々説があって、朝ごはんに食べる食材が多いので、アラビア語の朝(sabah)から来たものではないか、「サラダ、卵、フムスなどなど」の頭文字を取ったものじゃないか、初めてこの料理を売り出した人の名前(Sabich)さんから来ているんじゃないか、などなど。
いやー全部Wikipediaからの受け売りなんですが!
ひとくちに「ユダヤ人」といっても、色々な地域から来たユダヤ人がいて、彼らがその地域で食べてきた料理が集まってくる・・・。
そんなことが良くわかる料理のひとつです。
料理の歴史や伝播って、政治だけでは語れない色々な人や文化の動きや流れがわかるようで、面白い。
この料理本からの料理を作っていると、そんな歴史や文化を自分の手で再現したり、味わったりできるところが、やめられまへん。