6月某日:カリフォルニアから人が来る
約20年来の付き合いになる友人家族が、カリフォルニアから遊びに来た。
海外に暮らしてもうずいぶん時間が経つが、ロンドンに越してから毎年のように友人たちがロンドンにやってくる。
昔ニューヨークで学生時代を過ごしていた頃は、「絶対遊びに行くから!」と言われることが多かったのに、誰も来なかったな・・。ニューヨークといっても実は広い、私がいたのはマンハッタンではなかったから、というのもあるとは思うが。
それが不思議と、ロンドンに住むようになってから、小学校を含む学生時代の同級生、昔の同僚、大人になってからの友達、日本人もその他の国の人も、日本から、アメリカから、別の欧州の国から、旅行だ出張だとロンドンに続々やってくる。サンフランシスコにいた時もそんなことはなかったのに。これはいったいどういうことなんでしょう。
友人たちが、時にはいきなり来てくれるのは、結構嬉しいものである。
今回来た友人は、子どもも同じ年に生まれたので、子ども同士も幼馴染。生まれた直後から知っている仲である。家族全員でワイワイできて、とても楽しかった。

待ち合わせたのは、チャイナタウンにある韓国焼肉屋。
丸いステンレスのテーブルに、丸椅子でグリルを囲む。注文は今どきのタッチパネルだけれど、時々オーダーを忘れられるので、やっぱり店員さんに声をかける(苦笑)。
ここ1~2年だろうか、料理の種類に関係なく、ホールスタッフに南アジア系の人が増えた印象がある。韓国料理屋に行っても、それは同じだったりする。
以前マンチェスターで行った韓国焼肉屋さん、びっくりするほど美味しかったのだが、厨房にもホールにも、韓国人というか、東アジア人っぽい見かけの人が1人しかいなくて驚いたこともあったなあ。
って、別に日本人も他の国の料理を作るし、韓国料理は韓国人がやっていないといけない、という決まりはないんだけれど。
以前、日本に遊びに来たフランスの同級生をイタリア料理屋に連れて行ったら、「このレストランは日本人がやってるからイタリア料理ではない」とか言い始めて、キレそうになったことがあったのに。
自分の中のダブルスタンダードに気づいて、ちょっとビックリした。

デザートは台湾のデザート屋、Meet Freshに行き、巨大かき氷など。写真右側に乗っているのは、甘く茹でてあるスイートポテト。他にも甘く茹でた豆などがトッピングされていて、なかなか食べごたえがある。シェア必須。
この店はアメリカにも日本にも支店がある。アメリカにいた頃は、中華デザート屋さんは遅くまで開いているところが多かったので、ディナーの後に移動して、喋り足りなさを補う場所としてよく行った。ロンドンでもそれは同じ。もっと近所にあると嬉しいんだけどな。
6月某日:送別ランチ
会社の直属のボスが転職することに。皆で送別ランチに行った。
テムズ川沿いにある、ちょっとおしゃれな、何料理と言えばよいのかわからないイギリスのレストランである。

(こちらはサマーセットだかどこだったかのトマトを使った、ガスパッチョ。スーパーに行くとオランダやモロッコ産のトマトが多いが、イギリスの産地が書いてあると、とたんにスペシャル感が増すのはなぜでしょう)
アメリカでもイギリスでも、いろいろな国籍、バックグラウンドの人たちと働いてきたが、イギリスの職場はアメリカ(というかカリフォルニア?)のように、あんまりポジティブで元気すぎるとかえって周りが白ける雰囲気がある。もしかしてこの会社だけかもしれないけど。笑
その点、この上司はテンションが低く、雨が降れば文句を言い、天気が良くても文句を言い、「俺って文句ばっかりだな」と自分で気づいて笑ったりしつつ、悪気は決してないものの、ハスキー犬のように必要以上に走り回り、ものごとを引っ掻き回す他の上層部を横目で見ながら、達観した感じできちんと物事を進めてくれる人だった。
このボスがいるから、多少不満があっても安心して働いていた人も多い。いなくなると聞いての周囲の衝撃と落胆は大きかった。

(こちらは蟹のスフレと、付け合わせのサラダ。このサラダが、小さなボウルにサラダ菜が全部縦に差し込まれているという盛り付けで、非常に食べづらかった)
私はというと、残念ではあるものの、この年齢なのでやはりその点は達観というか諦観というか、職場なんて人の出入りがあって当然だし、いいチームも永遠に続くわけではない。人生なんでもそんなもんでしょう、というのが経験則からわかっているので、自分の仕事にも多少影響があるはずなのに、メンタルにも何も来ず、淡々と受け流していて、自分でもこれまたちょっとビックリした。

(勤務時間中のランチだったが、会社の金だしとやけ酒的にワインを何杯も頼むものもあり。デザートも頼んじゃおうよと何種類か頼んで皆でシェアした)
まあ、どんなに仲の良い仲間や友達でも、時間が経ったり人生のステージが変わったりすると、あれっと言うくらい熱量が下がって遠ざかっていくというのはよくある。仕事の環境が良くても悪くても、その場に長くいると「このままでいいのかな?」と疑問に思うことも自然。
ただ、貴重なのは、そうやって離れていって関係が消滅していく仲間もいれば、環境が変わっても繋がっていられる仲間もいること。
先日、昔の写真や記録を整理していたら、顔は覚えているのに名前をどうしても思い出せない人がいたり、すっかり記憶から抜け落ちていた人と一時期結構遊んでいたりしたことを思い出して、愕然としてしまったことがある。その時向き合っている瞬間は、まさかこの人の名前や存在さえ忘れてしまうなんて思わずに、一緒に時間を過ごしているはずなのに。
そんな、押し寄せては流れていく人との繋がり。この上司とも結構長く一緒に仕事をしたけれど、この後は記憶も流れ去ってしまうかな。
離れていても会いに来てくれる、細く長く続く長年の友達の縁と、環境が変わるとぱっと途絶えてしまう縁。そんなコントラストの激しい一週間だった。