マリカフェ

世界の色んな料理や面白いレシピを見ると、ついカッとなって作ってしまう、ほぼ好奇心と食欲のみに突き動かされている料理ブログ

食べ物日記:食のダブルスタンダード

今年の7月はまるっと日本にいた。暑かったが、剣道ばかりやって楽しかった。

アメリカに住んでいた頃は、里帰りは成田発着だったが、ロンドン便はたいていなぜか羽田である。コロナだウクライナの戦争だで、フライト時間は長くなり、昔より里帰りに体力がいるようになってきたようにも思う。

今回はかなり早朝便での帰国だったので、すぐに実家に戻ってもただ時差ボケがひどくなるだけな気もしたので、空港のアメニティを思い切り楽しんでから帰ることにして、温泉施設で朝風呂ののち、豪華昼食と決め込んだ。

まあ、年に一度の里帰りですから!私この10年間で日本にいた時間なんて、全部合わせても数ヶ月ぐらいにしかなりませんから!・・って誰に言い訳する必要があろうか。

隣には少食で頼んだものは全部食べきれないというおじいちゃんを連れた家族連れが座っていた。お店の人は流暢な日本語を話す外国の人だったが、薬味の説明をされるまで外国人だと気づかないぐらいだった。隣の家族連れはあまり都内に出ることがないようなことを言い、外国人労働者の多さに色々と意見を述べ合っていた。

まあ、ふーん、うーんと思いながらも鰻を楽しんでいたのだが。

私達の座った席の背後が壁になっていて、その裏は調理場。一部ガラス張りになっていて、調理の様子が見えるようなつくりになっていた。私達と家族連れがしっかりその場所は占拠しているのだが、時々観光客がぐいっとやってきては写真や動画を撮っている。それにもふーん、うーんと思いながらふとガラスのほうを振り返ってみたら、白い割烹着を着て鰻を焼いていたのが、白人の兄ちゃんで、ちょっと驚いてしまった。

なんだろう、別のアジア人の人が調理しているのはあんまり違和感を感じないんだが、え、この人がこの鰻も焼いたのかな?とちょっと思ってしまったのだ。

話はとぶが、もう何十年も前に、フランス人の知り合いが日本に遊びに来たことがあった。その時イタリア料理屋に連れて行ったのだが、そこで働いている人もシェフも全員が日本人だったのを見て、これはイタリア料理ではないと彼女が言い張ったのに滅茶苦茶腹を立てたのも思い出した。そして鰻を焼いた白人の兄ちゃんを見て、彼女と似たような感想を一瞬でも持ったところで、うわー自分ダブルスタンダードやな・・と自らにツッコミを入れたのだった。

ちょっと欲張ってデザートもいってしまった。

こっちの普段日記では、日本滞在記も含めて食べ物じゃない日記、時々食べ物のことも書いています

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食べ物日記:初夏のイギリスのデザート

6月某日:イギリスっぽいたべもの

7月は1ヶ月日本で過ごしたのだけれど、日本に向かう直前の週は「イギリスっぽい食べ物を食べておこう」となった。

6月はウィンブルドンテニスの季節。

ウィンブルドンでの名物は、ストロベリー&クリーム。そして去年からイギリスでは、M&Sというスーパーが日本のいちごサンドにヒントを得たサンドイッチを、季節限定で売り出すようになって、去年はちょっと話題になった。

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今年はそこまで話題にならなかった・・ものの、去年売っていた普通のいちごサンドの他に、今回はピスタチオクリーム版も。

早速買って、子供と山分けした。

去年も書いたのだが・・これは日本のいちごサンドにインスパイアされただけのものであるので、日本のいちごサンドを期待してはいけない。ふわふわのパンではなく、結構質実剛健なパン、というか、軽めのケーキを食べているような感じである。素手で運搬して、歩きながらでも食べられるケーキ・・と思えば良い。

日曜日はパブで、サンデーロースト。これは確か・・・ソーセージの乗ったチキンだったはず。サンデーローストの楽しみは、お肉もそうなんだが、付け合せの野菜。。。オーブンでじっくり焼かれている場合が多いので、美味しいところのは甘みが強くて野菜が美味しい。そしてヨークシャープディング。プディングといってもお菓子じゃなくて、アメリカ風に言ったらポップオーバーみたいなものである。シュー生地の甘くない版みたいだが、もう少し質実剛健としている。

なんだかイギリスの食べ物、質実剛健が多いな。ここのお店では、ヨークシャープディングお変わり自由だった。やよい軒でご飯をお代わりする感覚・・といってもそう沢山は食べられないけれど。

しっかりデザートも頼む。これはイートン・メス。これもいちご、ホイップクリーム、そしてメレンゲの入ったもの。これはおぼっちゃま名門校イートン・カレッジで作られたのがはじまりというのが俗説。ストロベリー&クリームがテニスマッチ観戦の時に食べられるのに対し、こちらはイートン対ハーロウのクリケットマッチの時に出されたとか、出されなかったとか。日本だったら甲子園でかちわりってところかな?って違うけど!

食べ物日記:アフヌン、またはヌン茶

6月某日:友とアフタヌーンティー

イギリスというと優雅にアフタヌーンティー、というイメージがあるかもしれない。

まあ、でも一般住民は普段ほとんどそんな事はしない。

午後に紅茶と一緒に、スコーンだけを食べるクリームティー、というのもある。アフタヌーンティーの簡易版みたいな感じだが、それもめったにしない。午後に紅茶を淹れてそんなものを食べる機会は普段はない。田舎の年寄りは、知らんけど。

日本に外国からお客さんが来ると、茶道体験に連れて行ったりするような感覚で、我が家は年に1回程度、アフタヌーンティーに行く。だいたいホテルのアフタヌーンティーに行く場合が多い。お安くない。なので、本当にお友達が来たスペシャルな時だけ行く。

そういえばアメリカでアフタヌーンティーのお店に行った時は、ロイヤルアスコットなみに着飾って、でかい帽子を被って来るような人もいたな。まあ浴衣着て日本料理屋に行くような、イベント感覚で行く感じだったんだと思う。こっちでは普段そんな格好でお茶をしている人は、今のところ見たことない。宮殿とかに行ったら、いるのかもしれない。知らんけど。

ロンドンだと、今まで私達が行った所の客層は、だいたい年寄りかアジア人が多いのも、興味深い(気がつけば自分も年寄りでアジア人、のカテゴリーに近づいている!)

今回は、アメリカから遊びに来ていた友人夫婦とヌン茶活動である。日本ではアフヌンとか言うの?

アーティストの旦那さんの希望で、なかなか高級なローズウッドホテルで、アートなアフタヌーンティーに行った。

アフタヌーンティー、必ず3段4段飾りの台で出てくるとは限らない。サンドイッチの形も色々である。

アフタヌーンティーをあまりやらないのは、やはり糖分と炭水化物のオンパレードだという理由もある。じっと何時間も同じ場所に座って、お茶でこういうものを胃の中に流し込むのはツラいお年頃になってきているのかもしれない。

しかしこのスコーンは美しかった。そして添えられているいちごのジャムというかゼリーのようなものが、想像を超える美味しさだった。人間、自分の経験した味で食べ物の味を想像するしかないが、自分の家の冷蔵庫に入っているジャムとは全く違う、といって単にいちごをゼラチンで固めたものとも違う、少しラベンダーの入った、甘すぎず、重すぎない感触がなんとも良い。

そう、アジア人の甘味に対する賞賛度合いは、「Not too sweet(甘すぎない)」かどうかで測られるというのが、日本人に限らず全アジア人共通だというのが面白い。

お茶はおかわりする事に選べる。煎茶ほうじ茶抹茶などもラインアップに。

このホテルのアフタヌーンティーは、時期ごとに違うアーティストをフィーチャーしたデザートが出てくる。今回のは「モネ」

睡蓮などをイメージしたケーキが美しい!

こういうのをデザインするの、楽しいだろうなあ。しかし全部食べきることはできず、これまたホテル謹製の美しいテイクアウトボックスに入れて持ち帰ったものもあったのだが、夏日が続くロンドン、帰って開けてみたらドロドロに溶けてしまっていた(泣)

素敵なホテルの好きなところは、ロビーに入るといい匂いが広がるところ。友人がこのホテルの香りを気に入り、フロントの人にどんなフラグランスを使っているのか聞いていた。するとこのホテル用に特別に調合してもらっているのだそう。フロントの人が、配合は教えられないというか、ホテルの人もよく知らないようだが、こんなものが入っています、といって成分表をわざわざ調べて、手書きのメモとして友人に渡してくれた。そういう情報、やっぱり聞かれたりするのかな。ちょっと調べたら出てくるところもすごい。

食べ物日記:来る人、去る人、残る縁

6月某日:カリフォルニアから人が来る

約20年来の付き合いになる友人家族が、カリフォルニアから遊びに来た。

海外に暮らしてもうずいぶん時間が経つが、ロンドンに越してから毎年のように友人たちがロンドンにやってくる。

昔ニューヨークで学生時代を過ごしていた頃は、「絶対遊びに行くから!」と言われることが多かったのに、誰も来なかったな・・。ニューヨークといっても実は広い、私がいたのはマンハッタンではなかったから、というのもあるとは思うが。

それが不思議と、ロンドンに住むようになってから、小学校を含む学生時代の同級生、昔の同僚、大人になってからの友達、日本人もその他の国の人も、日本から、アメリカから、別の欧州の国から、旅行だ出張だとロンドンに続々やってくる。サンフランシスコにいた時もそんなことはなかったのに。これはいったいどういうことなんでしょう。

友人たちが、時にはいきなり来てくれるのは、結構嬉しいものである。

今回来た友人は、子どもも同じ年に生まれたので、子ども同士も幼馴染。生まれた直後から知っている仲である。家族全員でワイワイできて、とても楽しかった。

待ち合わせたのは、チャイナタウンにある韓国焼肉屋。

丸いステンレスのテーブルに、丸椅子でグリルを囲む。注文は今どきのタッチパネルだけれど、時々オーダーを忘れられるので、やっぱり店員さんに声をかける(苦笑)。

ここ1~2年だろうか、料理の種類に関係なく、ホールスタッフに南アジア系の人が増えた印象がある。韓国料理屋に行っても、それは同じだったりする。

以前マンチェスターで行った韓国焼肉屋さん、びっくりするほど美味しかったのだが、厨房にもホールにも、韓国人というか、東アジア人っぽい見かけの人が1人しかいなくて驚いたこともあったなあ。

って、別に日本人も他の国の料理を作るし、韓国料理は韓国人がやっていないといけない、という決まりはないんだけれど。

以前、日本に遊びに来たフランスの同級生をイタリア料理屋に連れて行ったら、「このレストランは日本人がやってるからイタリア料理ではない」とか言い始めて、キレそうになったことがあったのに。

自分の中のダブルスタンダードに気づいて、ちょっとビックリした。

デザートは台湾のデザート屋、Meet Freshに行き、巨大かき氷など。写真右側に乗っているのは、甘く茹でてあるスイートポテト。他にも甘く茹でた豆などがトッピングされていて、なかなか食べごたえがある。シェア必須。

この店はアメリカにも日本にも支店がある。アメリカにいた頃は、中華デザート屋さんは遅くまで開いているところが多かったので、ディナーの後に移動して、喋り足りなさを補う場所としてよく行った。ロンドンでもそれは同じ。もっと近所にあると嬉しいんだけどな。

6月某日:送別ランチ

会社の直属のボスが転職することに。皆で送別ランチに行った。

テムズ川沿いにある、ちょっとおしゃれな、何料理と言えばよいのかわからないイギリスのレストランである。

(こちらはサマーセットだかどこだったかのトマトを使った、ガスパッチョ。スーパーに行くとオランダやモロッコ産のトマトが多いが、イギリスの産地が書いてあると、とたんにスペシャル感が増すのはなぜでしょう)

アメリカでもイギリスでも、いろいろな国籍、バックグラウンドの人たちと働いてきたが、イギリスの職場はアメリカ(というかカリフォルニア?)のように、あんまりポジティブで元気すぎるとかえって周りが白ける雰囲気がある。もしかしてこの会社だけかもしれないけど。笑

その点、この上司はテンションが低く、雨が降れば文句を言い、天気が良くても文句を言い、「俺って文句ばっかりだな」と自分で気づいて笑ったりしつつ、悪気は決してないものの、ハスキー犬のように必要以上に走り回り、ものごとを引っ掻き回す他の上層部を横目で見ながら、達観した感じできちんと物事を進めてくれる人だった。

このボスがいるから、多少不満があっても安心して働いていた人も多い。いなくなると聞いての周囲の衝撃と落胆は大きかった。

(こちらは蟹のスフレと、付け合わせのサラダ。このサラダが、小さなボウルにサラダ菜が全部縦に差し込まれているという盛り付けで、非常に食べづらかった)

私はというと、残念ではあるものの、この年齢なのでやはりその点は達観というか諦観というか、職場なんて人の出入りがあって当然だし、いいチームも永遠に続くわけではない。人生なんでもそんなもんでしょう、というのが経験則からわかっているので、自分の仕事にも多少影響があるはずなのに、メンタルにも何も来ず、淡々と受け流していて、自分でもこれまたちょっとビックリした。

(勤務時間中のランチだったが、会社の金だしとやけ酒的にワインを何杯も頼むものもあり。デザートも頼んじゃおうよと何種類か頼んで皆でシェアした)

まあ、どんなに仲の良い仲間や友達でも、時間が経ったり人生のステージが変わったりすると、あれっと言うくらい熱量が下がって遠ざかっていくというのはよくある。仕事の環境が良くても悪くても、その場に長くいると「このままでいいのかな?」と疑問に思うことも自然。

ただ、貴重なのは、そうやって離れていって関係が消滅していく仲間もいれば、環境が変わっても繋がっていられる仲間もいること。

先日、昔の写真や記録を整理していたら、顔は覚えているのに名前をどうしても思い出せない人がいたり、すっかり記憶から抜け落ちていた人と一時期結構遊んでいたりしたことを思い出して、愕然としてしまったことがある。その時向き合っている瞬間は、まさかこの人の名前や存在さえ忘れてしまうなんて思わずに、一緒に時間を過ごしているはずなのに。

そんな、押し寄せては流れていく人との繋がり。この上司とも結構長く一緒に仕事をしたけれど、この後は記憶も流れ去ってしまうかな。

離れていても会いに来てくれる、細く長く続く長年の友達の縁と、環境が変わるとぱっと途絶えてしまう縁。そんなコントラストの激しい一週間だった。