マリカフェ

世界の色んな料理や面白いレシピを見ると、ついカッとなって作ってしまう、ほぼ好奇心と食欲のみに突き動かされている料理ブログ

ペルーのヅケ、肉野菜炒めに、そぼろご飯

南米の料理というとカリフォルニアではやっぱりメキシコ料理が美味しいですが、実はペルー料理の方が個人的には好きです。

ペルーというとどうしてもコンドルは飛んでいく〜、フジモリ大統領に、アンデス山脈・・ぐらいしかイメージが無い。そういえばサッカーもそんなに強く無い。

でも実は、ペルーのご飯はうまい。しかも結構日本人の口に合う。

その理由は多分、

結構魚介類を使う
お米を食べる
移民の国なのでアジア風味の料理もある

あたりなのかなぁ、と考えるのですが、行ったこともないのに「ペルーはご飯が美味しい国」というイメージがここに来て新たにインプットされました。

そんなペルー料理の中でもお気に入りの3品はこれ。

セビーチェ

無理やり言うと南米版の刺身や魚介のヅケ、といった感じのもの。色々なお魚やエビなどを、ライムベースの汁につけてあります。これはサンフランシスコにあるちょっと高級なペルー料理屋さんLa Marでいただいたもの。

ココナッツミルクを足してみたり、一番左のは「ニッケイ」という名前で、和風にお醤油や海苔などもトッピングされています。

ライム汁につけるのはお酢で締めるのと同じ効果も期待できるとか。一昨年イギリスのミシュランレストランの厨房に立たせてもらった時も、突き出し用のセビーチェ担当になったんですが、ここでは注文してからソースと和える作り方をしていて、軽く意義を唱えてみたけど却下されましたw まあ新鮮だったらそこまでがっつり漬けなくても大丈夫か。


ロモ・サルタード

ペルーの肉野菜炒め、といったところでしょうか。牛肉、玉ねぎ、ピーマン、トマトなどを炒めたものです。しかも味付けは醤油とお酢!これ、実は中華料理の影響を受けたお料理なんですって。ご飯もついてくるし、食べるとずいぶんホッとする味です。

でもちょっとポイントは、フライドポテトがつくところ!お店や家庭によって、ポテトはサイドに置いてあったり、上に乗っかっていたり、一緒に炒めちゃったりとレシピは色々。これがあるとちょっと味も目先も変わって、中華ではない、ペルー料理、になる不思議。

この料理については、リミアというサイトにレシピも寄稿いたしました〜

limia.jp

冬の晩御飯時に、実際にワチャワチャご飯を作りながら慌てて写真を撮ったので写真が薄暗い!さらにポテトはちょっと焦げてますwwフードスタイリングどころじゃない!!

アロス・タパド

これは勝手にペルーのそぼろご飯、と呼んでいるもの。炒めたひき肉をご飯でこんな感じにサンドイッチにして盛り付けたお料理。これもトマトなどを入れてひき肉を炒めるんですが、ご飯に合う〜ホッとする〜(ホッとする味って表現もなんなんだと思いますが、食べ慣れた味ってことですかね)。

これはお店でいただいたものですが、これもお家で簡単に作れるのでぜひお試しください。レシピ、こちらに書きました。

limia.jp

ペルー料理を世界に広めた功労者

魚介もお肉も美味しいペルー、と言うイメージが自分の中では強まっている昨今ですが、実はペルーを食の国、として世界に認識させるに至った立役者というのがいるのです。

Gaston acurio.jpg

ペルーのシェフ、Gastón Acurioがその人。

彼を取材したドキュメンタリー「Finding Gaston」というのを見て興味を持ったのですが

トレイラーはこちら⇩

www.youtube.com

ペルーの政治家の息子として生まれ、将来後を継ぐことを期待されながらも、自分のパッションは料理だ、と法律事務所の仕事を数時間で逃げ出して料理人に。

ペルーというとやはり政治的に不安定とか、貧困とかマイナスなイメージしかない中、子供達の食育、給食提供のための活動をしたり、地元の農家や漁師と直接契約してレストランに材料を仕入れたりと、ペルーの食文化のポテンシャルを引き上げる活動をしたり、世界中にペルー料理のお店を出したりして、ペルー料理を世界に広める役割を果たしたんだとか。

ドキュメンタリーを見ていても、街を歩けば聖人かアイドルか何かみたいにわーきゃー取り巻かれて、ペルーの英雄みたいになっててすごかったです。マーケットにいる、インディオのちっちゃいおばちゃんたちもキャーキャー言ってセルフィー撮ってるのも可愛かったw

そしてドキュメンタリーを見ていて気がついた、彼のお店サンフランシスコにもありました。

エンバーカデロという、サンフランシスコの湾を望むところにあるお店La Mar
lamarsf.com

そう、上に載せたセビーチェの写真食べたところじゃ!そうだったんか〜

ドキュメンタリー見る前にもお友達と訪れたことがありました、ピスコサワーに、串焼きのお肉に、色々美味しかった記憶あり。以前出張できたお友達にも紹介したら喜ばれた、結構オススメです。







ガストンさん、この他にも中華とペルーのフュージョン料理Madam Tusanをペルーにオープンしたり、ペルーと日本料理のフュージョンのレストランも計画中だとか。

彼のレストランはちょっとお高めなのでしょっちゅう気軽には行けませんけど、ここら辺には家庭的なペルー料理やさんもいくつもあるのも嬉しい。日本にもペルーからの人は結構住んでいそうですし、きっと美味しいところがあるんだろうなぁ。ぜひ見かけたら試してみてください。

【文学飯】魯山人の錦木

友人に教えてもらった、「錦木(にしきぎ)」

レシピは色々で鰹節にネギ、わさびや海苔やら色々混ぜたのを、ご飯にかけて食べるという。が、ここはひとつ、魯山人のいうところの「錦木」と洒落込んで見ることにした。

魯山人の「夏日小味」には錦木についてこう書かれている。

上等のかつおぶしを、せいぜい薄く削り、わさびのよいのをネトネトになるよう細かく密におろし、思いのほか、たくさんに添えて出す。で、これが食い方は、両方適宜に自分の皿に取り、ざんぐりと箸の先で混ぜて醤油を適量にかけ、それを炊きたての御飯の上に載せて、口に放り込めばよいのである。同時にアッと口も鼻も手で押えて、しばし口もきけないようなのが錦木の美味さである。この場合、浅草のりなぞを混ぜてもよいが、むしろそれは野暮であろう。最高の錦木とは、上等のかつおぶしの中心である赤身ばかりを薄く削ること、太いよいわさびを細かいおろし金で密におろすこと。御飯をこわくなく、やわらかくなく、上手に炊くこと。そして炊きたてであること。食器は平らな皿に入れないで、やや深目の向付に盛ることである。

 
なんでも錦木は、京都のお茶屋なんかで夜遊びして、そのまま泊まり込んだ朝に、芸者がおはようさん、とやってきて、錦木でままおあがりやすか、と朝食に出されるものらしい。

幸いカリフォルニアではわさびが栽培されているので、ちゃんとしたわさびも買うことができる。小指ぐらいの長さのが四ドル。

さすがに鰹節そのままは手に入らないので、ちょっとふんぱつしていい削りぶし(=にんべんのパックではないやつ)も買い込んだ。

これで家族のいない昼間にひとりご飯を炊き、ちょっとワクワクしながらわさびをおろす。

炊きたてのご飯の上にふゎさーっと削りぶしを乗せ、わさびを乗せる。醤油もかけて、かき混ぜて、ワッとそのまま口の中に入れる。

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醤油の湿気で少し塊になったもしゃっとした鰹節、そこに時々わさびがワッと口から鼻から襲ってくる。・・・うん。鰹節とわさびと醤油の味だね。


錦木とはやはり名付けの風流で特別感六割増かもしれない。「削ったかつおぶしの片々を、木の錦木のへらへらになぞらえたもの」が錦木ではないかと魯山人は書いている。


どこかのキャバクラで呑んだくれ、朝になって酢と油と卵の黄身をかき混ぜて作ったソースを焼いたパンに乗せ「モンマルトルの石畳」とでも名付けて出されたらやはりこんな感じに思えるだろうか(要はトーストにマヨネーズ乗せ)。


などと余計なことを考えながら時々わさびに鼻も口もアッ、とやられつつ高級ねこまんま的な錦木をかき食らっていると、確かにこれはネギも要らぬ海苔も要らぬ、これはこれでこれ以上何も足さず何も引かず、が粋ですっきりしたものに思えてきて、また食べたくなるから不思議である。

【映画飯】キングスマン・ゴールデン・サークル、忠誠ハンバーガー

marichan.hatenablog.com

2017年、一番良かった映画は「ドリーム」だったと別ブログにはお行儀よく書いたけど、DVD買って何度もみたいのはやっぱりこっち・・・!!

Kingsman The Golden Circle.png
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イギリスがすごくよく見える映画、というジャンルが自分の中にはあって、その最高峰はLove Actuallyだったりするのだけれど、Kingsmanも自分の中ではそのジャンルに入るかもしれない。好きな映画リストのトップに入る映画。

最初のキングスマンは飛行機の中で見たのだけれど、ジャンルが「コメディ」になっているのに開けてみると人が時にはかなりグロく、バンバン殺される。なのに、なのに笑ってしまう。

ヒュー・グラントよりもコリン・ファースな私、そしてアニメ映画Singでは歌のうまいゴリラをやったタロン・エガートンもかっこ可愛らしい。マイフェアレディ並みに主人公がジェントルマン風になるのもなんだか良い。

そしてこの続編は子供のいぬ間に、旦那と2人、公開された去年の9月にしっかり映画館に足を運んで見た。子供向けじゃない映画を映画館で見たのなんて、どれだかぶりだったか・・・。

ドッカンドッカン戦闘シーンに腹を抱えて笑うというのは自分でもどんな感覚なのだと思うけれど、この映画は配役もずいぶん楽しい。前の悪役はサミュエル・ジャクソン、今回はジュリアン・ムーア。思えばどちらもアメリカ人。

今回明らかになるステーツマンの存在も、イギリスから見たアメリカっぽいキャラってこういう風になるんだなーと面白かった。そしてエルトン・ジョンの使い方が最高。演ってる方もずいぶん楽しかったのではないかと・・・。

しかしキングスマンもステーツマンも、あんなことをしちゃった人たちでも、あそこまで使命を持って助けなきゃいけないんだなと思うと、ちょっと切ないものがある。ウィスキーの気持ちもいたたまれない部分もある。人は間違いをおかすもの、でもだからと言って命が失われることまではないってことだろうか。

ジュリアン・ムーアの悪役ぶりをもう少し見たかった気もするが、彼女が部下に忠誠を示させるために食べさせるハンバーガーを見て、ガツンとしたハンバーガーが食べたくなり、家に帰って早速作ってしまった。

https://www.instagram.com/p/Bapzkdzlvgt/
Just because I watched the new #kingsman movie. #nohumanswereharmed#kingsmangoldencircle#homemade #burger #キングスマンゴールデンサークル見たら食べたくなって作った#ハンバーガー #ハンバーガー🍔#キングスマン@kingsmanmovie

忠誠を示すのにハンバーガー?とお思いでしょうが、その原材料が・・。

このバーガーは普通にビーフ100%でw

つなぎも何もなく、ただひき肉をパティにして焼いただけの、肉の旨みだけのバーガー。

映画を見た後は、ぜひハンバーガー(とウィスキーも?)をどうぞ。

【ブタショー】知られざる人間の行動パターン?

生姜焼き用、と銘打った豚肉を日経スーパーで買ったので、今日の晩のおかずにしようかなと思っていたらFacebookがあなたの6年前の投稿です、と言ってこの写真を出してきた。


6年前の同じ日にも私はどうやら豚の生姜焼きを作っていたらしい。驚愕。

最近はGoogle Photoでも他の写真アプリでも、○年前の今日はこんな感じでした、と写真やビデオを出してくれる機能があるけれど、それを見ると同じ時期に同じものを食べたり、同じレストランに行っていたりすることが結構ある。

時には友達と行ったあるレストランに、5年後の同じ日、それぞれが気づかずに時間差で食べに行っていたことさえあって、それはさすがにぞぞっとした。

携帯で食べ物の写真など、日々のミクロな行動が記録しやすくなり、その蓄積された情報をこうやって見ると、人間ってもしかして、結構ある周期で同じ行動を繰り返しているんじゃないかと思い始めた。

自分がFacebookを使い始めたのは2007年とかなり早い段階で、サービス開始当初は結構みんなツイッター的にどうでもいいような色々なことをバンバン書き込んでいた(初期のFacebookはテキストボックスに「Marichan is..」と言う文章がすでに入っており、それに合わせて自分のその時の状態を短く述べることしかできなかったのだった)。そういうのも10年経った今頃に「思い出」としてFacebookがぽんぽん表示してくる。

それを見ると結構同じ時期に熱を出して寝込んでおり、3年連続で同じ時期に「風邪引いて会社休み中」などと投稿したりしているのが今頃になって並んで表示されたりする。

まあ、風邪だとか、仕事が忙しいだなどというのは、季節柄同じ時期に繰り返しやすい部分もあるかもしれないけれど、毎回同じ時期に同じ店に行ったり同じものを食べたりというのは、どういうことなんだろう(特に旬のものを食べているわけでもない)。

人間、実は回り回って、数年周期に同じ日に同じタイミングでタンスの角に小指をぶつけたり、全く同じことを話していたり、同じ経路で家の中をウロウロしたり、トイレットペーパーを切らしたりと、意外と無意識に同じ行動を繰り返していたりするものなのかもしれない。それがあまりに小さな動きすぎて記憶にさえ残らないだけで。私の行動パターンから見るとそれがどうも5−6年周期っぽい感じもする。

そう考えると人間も自然が決めたルールで動くアリンコと変わりがないのかもしれない。

それはさておき豚の生姜焼き。

アジア系のスーパーで薄切りの豚肉を買った時にやる位で、それほど頻繁には作らないが、生姜焼き用に心持ち厚めの薄切りよりも、豚コマ的な薄切りを生姜焼きにし、それを皿に盛るのが好きなやり方である。

砂糖やみりんで甘ったるい味付けの和食をあまり好まない我が家では、肉をさっと焼いたら醤油をかけ、その上におろし金で直接生姜をガシガシとかけて、炒めながら和える。ズボラ料理のようでもあるが、これはDancyuの肉特集で読んだ「ブタショー」の作り方で、それ以来ずっとこれ。タレに漬け込むこともしないが肉も薄いので味はこれで十分。

しかし今日は6年周期のパターンを打ち砕きたくなり、結局生姜焼き用の肉を生姜焼きにはせず、旦那が正月に鮭を焼くのに買ったという液体タイプの「シオコウジィ」をふりかけて焼いてみた。液体タイプなんて初めて聞いたが、オークランドにあるちょっとオシャレで本物志向系の日本食品店Umami Martで買ってきたらしい。

付け合わせは適当に高野豆腐とにんじん抜きのきんぴらごぼう。無意識の繰り返し周期を打ち破った今、何か新しい未来が開けたりはしないだろうか(大げさ)

www.maricafejp.com

 


 


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