マリカフェ

世界の色んな料理や面白いレシピを見ると、ついカッとなって作ってしまう、ほぼ好奇心と食欲のみに突き動かされている料理ブログ

【ブタショー】知られざる人間の行動パターン?

生姜焼き用、と銘打った豚肉を日経スーパーで買ったので、今日の晩のおかずにしようかなと思っていたらFacebookがあなたの6年前の投稿です、と言ってこの写真を出してきた。


6年前の同じ日にも私はどうやら豚の生姜焼きを作っていたらしい。驚愕。

最近はGoogle Photoでも他の写真アプリでも、○年前の今日はこんな感じでした、と写真やビデオを出してくれる機能があるけれど、それを見ると同じ時期に同じものを食べたり、同じレストランに行っていたりすることが結構ある。

時には友達と行ったあるレストランに、5年後の同じ日、それぞれが気づかずに時間差で食べに行っていたことさえあって、それはさすがにぞぞっとした。

携帯で食べ物の写真など、日々のミクロな行動が記録しやすくなり、その蓄積された情報をこうやって見ると、人間ってもしかして、結構ある周期で同じ行動を繰り返しているんじゃないかと思い始めた。

自分がFacebookを使い始めたのは2007年とかなり早い段階で、サービス開始当初は結構みんなツイッター的にどうでもいいような色々なことをバンバン書き込んでいた(初期のFacebookはテキストボックスに「Marichan is..」と言う文章がすでに入っており、それに合わせて自分のその時の状態を短く述べることしかできなかったのだった)。そういうのも10年経った今頃に「思い出」としてFacebookがぽんぽん表示してくる。

それを見ると結構同じ時期に熱を出して寝込んでおり、3年連続で同じ時期に「風邪引いて会社休み中」などと投稿したりしているのが今頃になって並んで表示されたりする。

まあ、風邪だとか、仕事が忙しいだなどというのは、季節柄同じ時期に繰り返しやすい部分もあるかもしれないけれど、毎回同じ時期に同じ店に行ったり同じものを食べたりというのは、どういうことなんだろう(特に旬のものを食べているわけでもない)。

人間、実は回り回って、数年周期に同じ日に同じタイミングでタンスの角に小指をぶつけたり、全く同じことを話していたり、同じ経路で家の中をウロウロしたり、トイレットペーパーを切らしたりと、意外と無意識に同じ行動を繰り返していたりするものなのかもしれない。それがあまりに小さな動きすぎて記憶にさえ残らないだけで。私の行動パターンから見るとそれがどうも5−6年周期っぽい感じもする。

そう考えると人間も自然が決めたルールで動くアリンコと変わりがないのかもしれない。

それはさておき豚の生姜焼き。

アジア系のスーパーで薄切りの豚肉を買った時にやる位で、それほど頻繁には作らないが、生姜焼き用に心持ち厚めの薄切りよりも、豚コマ的な薄切りを生姜焼きにし、それを皿に盛るのが好きなやり方である。

砂糖やみりんで甘ったるい味付けの和食をあまり好まない我が家では、肉をさっと焼いたら醤油をかけ、その上におろし金で直接生姜をガシガシとかけて、炒めながら和える。ズボラ料理のようでもあるが、これはDancyuの肉特集で読んだ「ブタショー」の作り方で、それ以来ずっとこれ。タレに漬け込むこともしないが肉も薄いので味はこれで十分。

しかし今日は6年周期のパターンを打ち砕きたくなり、結局生姜焼き用の肉を生姜焼きにはせず、旦那が正月に鮭を焼くのに買ったという液体タイプの「シオコウジィ」をふりかけて焼いてみた。液体タイプなんて初めて聞いたが、オークランドにあるちょっとオシャレで本物志向系の日本食品店Umami Martで買ってきたらしい。

付け合わせは適当に高野豆腐とにんじん抜きのきんぴらごぼう。無意識の繰り返し周期を打ち破った今、何か新しい未来が開けたりはしないだろうか(大げさ)

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お正月にチョコレート・抹茶・ザクロのタルト

あけましておめでとうございます。

カッとなってややこしい料理を作ったり、色々面白い料理や食文化に出会った時にアップデートされるこのブログをよろしくお願いします。

今年も年始はお友達の家で毎年恒例の寄り合い。1人で作ると大変なおせちも、みんなで持ち寄ればこんなに豪華!

私は毎年高野豆腐とこんにゃくのお煮しめ、そして旦那が肉を担当。今年はそれに加えてデザートも作りました。

チョコレート、抹茶、ザクロのタルト。

ある日FacebookのTLに出てきたのをずっとブックマークしていたのをとうとう作ってみました。

http://www.cooksscience.com/recipes/9365-chocolate-matcha-and-pomegranate-tart/www.cooksscience.com

America's Test Kitchenという出版社が2ヶ月に一度出しているCook's Illustratedという料理雑誌があります。この雑誌、広告収入に頼らず、キッチン用品を色々テストしたり、レシピも色々テストした詳細なものを載せたりと、ちょっと暮しの手帖風にしっかり考えて作ってあります。写真もなぜか白黒だったり、イラストだったり。

この出版社が新ブランドとして1年ほどやっていたCook's Scienceというウェブサイトに載っていたのがこのタルトのレシピ。このサイトはもう終了してコンテンツはCook's Illustrated に統合されつつあるようですが、なかなか使えそうなレシピ本も出ています。

こちらのタルトは、レシピではヘーゼルナッツの粉を生地に混ぜていましたが、家になかったのでアーモンドプードルで代用。普通のクッキー生地で代用しても全然オッケーだと思います。

ここに湯煎で溶かしたダークチョコレートを流し入れて冷蔵庫でちょいと固めます。

生クリームに抹茶と粉砂糖、そして塩もちょびっとだけ入れて泡立て、タルトの上に絞り、さらに抹茶パウダーをふりかけた後、ザクロの実を散らしました。

なんか螺髪みたいなモコモコになっちゃったよ・・

レシピより小さめの型を使ったので、クリームをもっとずらっと綺麗に並べられなかった。でもダークチョコと抹茶のほろ苦さ、ザクロの甘酸っぱさがちょうどいい感じの大人の味でした。これはリピしますよ!

別に作った抹茶のロールケーキも合わせてこんな感じ。

甘いものは作るのは楽しいけど消費するのは楽しくないので、なかなかこういう機会がないと作れませんが、今年はスタンドミキサーもあるしもっと作りたい!そしてばらまきたい!



とってもオーガニックな犯罪者のパン

我が家で犯罪者のパン、と呼ばれている食パンがあります。

Dave's Killer Bread、アメリカ在住の方は店先で見たこともあるかもしれません。コスコ(日本ではコストコって言うのか!)にもありますねえ。文字どおりこのパンの顔になっているデイブさんは前科者。刑務所に15年入っていた札付きなのです。

彼のバックグウンドについては、他にも在米ブロガーの皆さんが書いたりしていますが、パッケージに書かれていることを要約しますと

「人生色々ありすぎて刑務所に15年も入っていたデイブさん。でもこのままではいけないと、出所後、ファミリービジネスでやっていたベーカリーへ。家族にまた受け入れてもらって一所懸命働き、彼が開発したオーガニックブレッドが大ヒット商品に!」

Killer Breadなんて物騒な名前がついていますが、殺人を犯したわけではなく、罪状は強盗やドラッグとからしいです。killer というと、すげー、超かっこいい、みたいな意味になります。でも15年も入ってたのか。

ポートランドで父親が始めたベーカリー、デイブさんはじめ兄弟は子供の頃から手伝わされていたそう。友達と遊ばずにちゃんと手伝う兄弟をよそにデイブさんはそれが嫌で反抗しまくり、グレて酒やらドラッグに走り、挙句の果てに強盗をはたらいて逮捕。

出所した後また家族のベーカリーに戻ってきたものの、家族と大げんかをして最後にはお兄さんの家に強盗に入り、そのまま東海岸に逃げたんだとか。その後もドラッグなどで逮捕され、また刑務所へ。出所後また、ベーカリーに戻りました。

2004年、そこで頑張って開発したのが、全粒粉や、色々なシードがたっぷり入ったオーガニックのパン。ファーマーズマーケットで売り出したものが評判が評判を呼び、今では全国のスーパーに卸されるまでに成長しました。

この会社はデイブさんのそんな背景から、前科がある人にセカンドチャンスを与えようと、そういう人達を積極的に雇用していることでも知られています。社員の30%がそういう人達だそうです。

www.daveskillerbread.com


なんでもアメリカ人の4人に1人はなんらかの犯罪歴があり、犯罪歴のある人が就職しようとすると、まず面接にこぎつけるチャンスも50%減るらしい。アメリカの総人口は世界の5%な一方、世界の受刑者の25%がアメリカ人なんだそうです。ヒ〜!

と言って、これは犯罪者が野放しにされず逮捕率が高いと取ることもできるし、国によって懲役の基準が違うこともあるし、色々統計のトリックがあると思うので、アメリカは犯罪者だらけだ!と簡単に考えて欲しくないですけどね。でもどちらにしろ、そういう人達にちゃんと再起の場を与えてあげようという取り組みは素晴らしいと思います。

ということで、とっても「フィールグッド」な感じのこのパン。買う方も、何か良いことを支援している気分になるしオーガニックだし、いい感じで買っていたのですが、この世の中、全てがハッピーエンドな物語というわけにはいかないようです。

デイブさんとこの会社、実はパッケージに書かれている以上な後日談がありまして。

オーガニックブレッドの成功で、家を数軒手に入れるなど、金銭的には成功したデイブさん。どうも色々見てみると、彼は札付きのワルだったというわけではなく、昔から鬱や自殺願望、双極性障害など、精神的な疾患を抱えていたようで、そういった部分が彼を犯罪に走らせてしまったようなのです。

ビジネスの成功後は、付き合いなどでお酒を飲む機会が出てきたのをきっかけに、アルコール中毒になり、リハビリ施設に入ったりしています。そしてある日、突然会社に現れた彼は自分の等身大のイラストパネルをぶっ壊し、社員に意味不明なことを言い始め、その後、駆けつけたパトカーに自分の車を突っ込んでまた逮捕されてしまいます。2013年のこと。

どうも大きな発作を起こしてしまったらしい。警察が駆けつけたのも、家族や友人が嫌がる彼を病院に連れて行ってもらうために呼んだそうですが、暴れたために逆に逮捕されてしまったらしい。2015年にはそういうところが考慮され、逮捕後入っていた病院から条件付きで釈放されています。

一方会社の方も、2015年にFlower Foodsという全米第2位の食品会社に買収されています。2億7500万ドル、日本円だと310億円をキャッシュで!今も会社の何割かを所有はしているらしいですが、デイブさんをはじめ、ベーカリーを始めた家族はもう直接経営には関わってはいないようです。

彼の顔やストーリーがでかでかと全面に出て売られているパンだけに、もう経営に関わっていないと聞いてなんとなくガクッとしてしまったけれど、そういえばモンダビさんのところもそうでした。

www.maricafejp.com

経営から離れたデイブさんですが、今は自分の経験を元に講演をしたり、アフリカンアートの収集に没頭して、販売サイトを立ち上げるなどしているらしい。

何度失敗しても、チャンスが与えられ立ち上がろうとする姿を見せ続けるデイブさん。お兄さんなど家族がファミリービジネスに迎え入れてくれたから成功もあったとも言えるけれど、よく知らないままちょっとうがったことを言うと、犯罪歴があったからこそ本当にそこにしか行き場がなかったのかなとも思ってしまいました。

もしかしたら精神疾患の原因は家庭環境や家族の関係が基盤になっていることだってあるだろうから、家族が良かれと思ってやったことも、もしかしたら無意識に負担になることだってあるかもしれない。何かもし他の場所でセカンドチャンスがあったら、また違った人生があったのかもな、とも思わないでもありません。

なんでも刑務所では製図プログラムの使い方を覚えて、あまりに上手かったので他の人に教えるほどになっていたというし。彼の話の一部については、Modern Farmerという雑誌に漫画として紹介されていたのですが、なぜかそこの部分がすごく心に残りました。

modernfarmer.com

何はともあれ、犯罪云々言うよりは、精神疾患に対するケアの大事さ難しさを逆に痛感してしまったこの話。

デイブさんのライフストーリーやそのビデオはここからも見れます

davedahl360.com

ホリデークッキー交換会・美味い簡単ショートブレッド

ホリデーシーズン真っ最中、毎日何かしらイベントがあって、脳みそが追いつかない日々を過ごしております。

それに何だか年々冬の冷え込みがきつくなっているように感じるベイエリア。歳のせい?もうここに住んで10年は経つのに、部屋の中では暖房ガンガンで薄着で過ごす東海岸根性が抜けないせい?とにかく予定を無事にこなすためにも、風邪をひかないように踏ん張らないといけません(と横でがほがほゴホゴホ言っている旦那を冷ややかな目で見ている)。

そんな年末でワチャワチャな12月、しかも平日の夜、子供の同級生の家で「クッキー・エクスチェンジ」なるイベントがありました。

クリスマスと言えば、サンタさんのためにクッキーを焼いて、ミルクと一緒に置いておくというのがお約束ですが、ホリデー用のクッキーを用意してみんなで交換しよう、というイベントです。つまりは、その日に向けてクッキーを用意しないといけません。

色々逆算して、二日前に生地を用意。焼けたクッキーは子供にデコレーションしてもらいました。

雪の結晶の型を使ったけど、何となくダビデの星風。サクサクのショートブレッドです。

日本人ママとして、KAWAIIの国、キャラ弁発症地・・じゃなくて発祥地出身者として、やっぱり持ち寄りで持って行くものの見栄えが気になってしまうお年頃。しかしここはアメリカ。あんまり細かい見た目気を使っても自分が疲れるだけなので、ここは子供の自由にしていただきます。

と言いつつ、子供が学校に行っている間に自分もちょっとやってみました・・。よくYouTubeやインスタで、すごく複雑で綺麗なクッキーデコレーションのビデオを見てしまうのだけれど、あそこまで細かく綺麗にやるのはやっぱりすごく難しい・・。

さらにデコレーションの前に、アイシングを用意するのが非常に面倒です。色だけでなく、模様を書くのか、全体に色を塗るのかでアイシングの緩さの調整もしないといけないし、模様の複雑さにもよるけれど、一度アイシングが乾くのを待って次の工程にいかないといけない場合もあります。凝ったデコレーションをしたい場合はきちんと計画を立てて時間を確保しないといけません。煮込み料理と違って、その場の思いつきじゃなかなかできない・・。

そして当日、クッキーに群がる子供達。たくさんの子供に砂糖を一気に与えると、ものすごいことになります。この(クソ)寒い夜に、タンクトップ一枚で走り回る子も・・・。耳をつんざくような子供達の声に、大人の話し声がよく聞こえないほどでした(苦笑)

ご覧の通り、焼きっぱなしのいろんなクッキーの数々。買ってきたやつも並んでました。みんなで集まるのが楽しいので、これでいいんだよね〜。

今回焼いていったのはショートブレッド。材料はバター、砂糖、バニラエッセンスと粉だけでめちゃくちゃ簡単です。そして今回初めて、スタンドミキサーを使いました。1年間旅に出ている友達が持っていたものを、その間預かるという形で貸してもらっています。

これイイ!すごくイイ!

ハンドミキサーを使う時の、電気コードがワチャワチャなったり、使った後にカウンターにバランス悪く置く気持ち悪さ、部品を取り外す面倒臭さが無い!そして何より、両手が空くのが素晴らしい。ただボウルに材料をガンガン投入するだけでいいので、ベーキングの時の手間や疲れ具合が全然違いました。これ1年後パクっちゃおう買っちゃうかも・・・。

スタンドミキサーがあるとより簡単で、かなり美味しいショートブレッドのレシピは以下の通りです。

材料(中くらいのクッキー型40個分強)

  • バター 1/2ポンド (226グラム)室温に戻しておく
  • 粉砂糖 3オンス(85グラム)
  • バニラエッセンス 大さじ半分
  • 小麦粉(オールパーパス使用)9オンス(255グラム)

作り方

  • バターを室温に戻します。これをしっかりやるのが大事。できれば4−5時間前には出しておくこと。

買い物にいったそばから室温戻し作戦開始!w

  • ミキサーにバターを投入、クリーム状(ホイップしすぎないように)になったら粉砂糖とバニラエッセンスを投入、さらに粉を投入。ミキサーは一番ゆっくりで。
  • ある程度まとまったらラップに包んで冷蔵庫に入れる。そのままだと柔らかすぎるので、扱いやすい硬さになったら5ミリの厚さに伸ばして好きな型で抜く。
  • 190度のオーブンで15〜20分焼く。


砂糖は好みで減らしても。私は甘いのがあまり好きで無いので、家用で作る時は40グラムぐらいにしてしまいます。