英語の料理本は随時チェックして興味のあるものは買ったりしていますが、日本のものは渡米した時に持ってきた古いものばかり。
でもそのぶん読み込んだり、色々作ってみたりと愛着があるものが多いです。
そんな、我が家で使い込まれている料理本ご紹介シリーズ第一弾は、あんまり食べない割にいつもついカッとなって作ってしまう、ケーキの本です。
ちょっとボロっ・・
これは中学生か高校生ぐらいの時に自分で買った本。
渡辺みなみさん、当時見た記憶も認識も全くないのですが、ニュースステーションなどでバイリンガルキャスターとして活躍されていた方です。
高校でアメリカに留学してケーキ作りにはまり、ニューヨーク特派員になった時もアメリカのケーキづくりを研究したり、おフランスでも製菓学校に通ったりと、キャスターの仕事と並行してパティシエ修行もかなり本気でされていたよう。
紹介されるレシピや写真もセンスが良いものが多い。
お菓子なんて全然作る気配も無かった当時、なぜこの本を買ったのか不明ですが、多分そんな本のビジュアル面にやられたんだと思われます。
写真がキレイな料理本って、つい眺めて終わりにしてしまいがちなのですが、所有している時間が長い分、それなりに作った品数は増えました。
この本は、気楽に作れるアメリカのケーキのレシピ、そしてムースやジェノワーズなどを組み合わせて作る、よりアントルメ的な、おフランス的なレシピの2部構成になっています。
今まで作ってみて写真があるものだけ、だっとご紹介。
コーラケーキ
これはまずその材料に衝撃を受けました。バターケーキの生地にコカ・コーラを混ぜて焼いたもの。カラメルっぽい味がなんとも不思議な感じです。
アイシングを初めて作ってみたのもこれでした。
ブルーベリー・ポピーシード・ケーキ
写真では奥の方になっちゃってますが、これもバターケーキ風の生地にポピーシード、そしてブルーベリーが真ん中にどん!と鎮座しているケーキです。
レモンの皮やサワークリームが入っているので、見た目に反して、結構軽めで爽やか。アメリカのケーキコンテストで優勝したレシピがベースになっているんだそう。
ピーカン・バーボンケーキ
これは震災の時、チャリティーイベントに出すために焼いたもの。ケンタッキーのバーボン、ミシシッピのピーカンと、南部を代表するものが入ったケーキです。
生地にたっぷりバーボンが入っていて風味豊か。
ニューヨーク・チーズケーキ
天板にお湯を張り、オーブンで蒸し焼きにして作るニューヨーク・チーズケーキ。
オレオ・クッキー・チーズケーキ
みなみさんのこの本について書いている他の人のブログを見ていても、沢山の人が作っていたのがこの市販のオレオクッキーを混ぜ込んで作るチーズケーキ。
生地にクッキーを沈めて焼くと、クッキーが溶けていい感じのマーブル状になります。
このレシピは、88年にゴルバチョフがアメリカを訪問した時の晩餐会で出されたのが、オレオクッキーのチョコレートタルトだったのにヒントを得て作られたのだとか。
当時のニューヨーク・タイムズを探したらその時の記事が出てきたのですが、料理担当はウォルドルフ・アストリアのシェフJohn Doherty。
彼は歴代大統領に一番料理を出している人らしく、今はマンハッタンにあるBlack Barnというレストランのエグゼクティブ・シェフだそうです。
実際に彼が出したのは「オレオクッキーで作ったクラストに、クリームチーズとアーモンドのフィリングが入ったもの」だったよう。
うーんどんなレシピだったんでしょう、ちょっとこっちも再現してみたくなってきた。
ちなみに1988年に書かれたこの記事にドナルド・トランプが登場して驚きました。
ゴルビー訪問に合わせて、彼のそっくりさんがトランプタワーの前に登場。人が群がっているのを聞きつけたトランプのおっさん、本物が来たと思い慌てて下に降りてきて群衆を押しのけかき分け偽ものと握手したんだとか。
騙された気づいたあのコメントが「何か本物と違うと思った」そして「ひとつ気づいたのは彼のリムジンの後部座席にキレイなネーチャンが4人座ってた」
・・ってやっぱり見てるのそこかい!!!
あまりに終始一貫してるので、笑ってしまった・・・
って随分話が脱線してしまいました。
ラ・メール
みなみさんのケーキの本、後半はムースとケーキを組み立てて作る、よりプロっぽい複雑なレシピになるので、見とれるもののなかなか手が出ませんでした。
唯一作ったのが、ピナコラーダのムースを、ビスキュイの台に流し入れたこのケーキ。
ムースの上からさらにゼラチンが入ったクリームをグレージングします。
上のゼリーは本当は海をイメージしてブルーキュラソーを使うのですが、売っていなかったためメロンリキュールで。
結構アルコール度強くて、食べててちょっと酔いましたw
昔懐かしいニューヨーク
この本、途中ニューヨークにあるお店の紹介もあり、90年台初頭のニューヨークの町並みが見えるのも、ものすごく懐かしい気分になります(そしてみなみさんのファッションもw)。
ここで紹介されているベーカリー、レストラン、本屋に食材屋さんは、今はほとんど閉店してしまったものばかりですが、当時から老舗のチーズケーキ屋さんJunior's、日本でも有名なDean and Deluca、食材屋Zabar's、当時から今もミシュランスターを保っているフランス料理店Le Bernadin(本ではスペルが違ってた)はまだ健在。
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そしてここも閉店してしまったAn American PlaceのShari O’Brienというパティシエとのインタビュー。
ここで紹介されていたマシュマロ入りのいちごのムース、そしてベリーがたっぷりのショートケーキの写真がずっと気になっていました。
学生時代マンハッタンに住んでいたこともありますが、もちろん貧乏学生がこんな良いレストランに行けるはずもなく。
ふとこのパティシエ今どこにいるんだろう、と調べてみたら、どうもサンフランシスコのレストランにいるらしい。思ったよりもすぐ近くに!!
ちょっと探して食べに行ってみたくもなってきました。
今でも中古で入手可能風です。
みなさんも使い込んでいる料理本、あれば教えてください!
